怪しげな健康商法が大好きだ第1回(シリーズ化するつもりか!?)

「副作用」ってなんじゃらほい

薬には副作用があるので飲んではいけません
かなりラディカルな、健康商法の常套句ですな。


実はアイニスは健康商法ウォッチャーの端くれでして、今だから書いても良いのかな、昔「Watcher_1942」というHNで某掲示板に出没し、怪しげな健康商法を哂って居ったのです。
この、怪しげな(笑える)健康商法のサイト検索するコツの一つが、
「副作用」をキーワードに加える
だった訳です。
キーワード「副作用」で引っかかってくるサイトは、当時トンデモ系8割って感じだったと思います。


医師の使う「副作用」とそうで無い人の使う「副作用」はだいぶん意味が異なるんですよ。


辞書(大辞泉)には

ふく‐さよう【副作用】
薬物の、病気を治す作用とは別の作用。有害なことが多い。

って書いてありますけど、


医師は「有害なことが多い」とは思っていない
医師以外は「なんとなく悪いこと」だと思っている


という違いが有ります。


実際に有害な出来事に関しては「有害事象」というちゃんとした用語がありますんで、「副作用」といった場合「有害じゃないこと」の方を指して居る場合が少なくないですね。
例えば、ドグマチールという胃薬は副作用で食欲が出て元気になってしまうんですね。
まあ逆に言うと、ドグマチールという鬱病のお薬は副作用で胃炎が治まっちゃうんです。
どっちにせよ、副作用で食欲が出て太ってしまうというのは有害な副作用といえるかもしれません。
(本当の話。そういうお薬なんです)


ところで、ポイントは辞書的な「副作用」の意味が「薬物の〜」である点。
つまり、食品には「副作用が無い」というのは言葉の定義上正しいということ。
でも、ここまで書いたように「副作用が無いから良い」では無いのです。


ここが難しいところ。
「副作用」という言葉に悪い意味は無いと知っていれば、冒頭の文句に引っかかることも無いんでしょうが…


一方で食品には確かに「副作用」はないかもしれませんが「有害事象」は有ります。
有害事象があること自体は、薬品も食品も同じ。
むしろ、雑多なモノの混合物である食品の方がアレルギーという「有害事象」の発生頻度は高まるでしょう。


水だって「水中毒」という有害事象を引き起こすし、ビタミンCには下痢という有害事象が有名。
砂糖にだって致死量は有って、過高血糖が起こればそれは有害事象だわね。
でもだからって、これらを「飲んではいけない」という方がもっと有害だわな。


そう、「副作用」とか「有害事象」が有るか無いかってのは、あくまでも「副」の話であって、それで飲むか飲まないかって言う「主」の話をするのがオカシイのだと言う事は、ヤッパ誰でもすぐ判るべきことだと思うのです。
「交通事故があるから家を出ない」的な本末転倒なのですよ。


その上で、今日書いたことを踏まえて「副作用?有っても構わないじゃん」って突っぱねられると、冒頭の文句が笑い話の一節に見えてきます。
「なにバカなこと言ってんだ」ってね。


第2回があれば、「天然」か「本当の健康」「マイナスイオン」のいずれかについて書きますか。

小咄

個人的には大好きだけど、たぶん解説が必要で、解説してみると大して面白くも無い小咄。


警官「おい、赤信号を無視して走って行ったな、信号無視で切符を切るぞ」
運転者「すみませんおまわりさん、青信号に見えたんですよ」
警官「…じゃあ、スピード違反だ」